「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
日が昇ったら、リトと一緒に森を駆け回った。森にはジェシカの好奇心を誘うものが沢山あった。見たこともない花や果物、動物、それに魔獣。
そう、森には魔獣がいた。
魔獣は動物とは違い、見境なく襲ってくる。牙をむき出しにしてジェシカに襲い掛かってきたが、難なくそれを交わした。さすがは未来の魔王と言った所なのだろうか?魔力が有り余っているせいで、魔獣は簡単に倒すことが出来た。
魔獣を倒すたびに自分は魔王なのだと思い知らされ、そしてモヤモヤとした感情が胸に残る。
「魔王になりたくないな……」
ジェシカは独りごちてから頬をパンッと叩いてその感情を振り払った。
それから自分を守るためというより、リトを守るために家の周りに結界を張り、人間や魔獣が近づけないようにもした。結界内は外からはただの森に見えるようになっているため、普通の人間では見つけ出せないようにしてある。
食事は必要ないが、森で木の実を見つけたら食べていた。栄養は必要ないが、甘いものは大好きだ。しかしリトには食事が必要で、襲ってきた魔獣をリトに渡すと、それを嬉しそうに食べていた。
森での生活は最高だった。