「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

「リトちゃんも来てたのかい。ホント利口な犬だね」

「うん。リトはすごく頭がいいんだよ」

「それじゃあ、リトちゃんには干し肉を、ジェシーちゃんには飴玉だよ」

「うわー!おばちゃんありがとう」

「また納品に来ておくれよ」

「はい!」

 おばちゃんから薬代を手渡され、お店を後にする。

「リト、やったね。今日は沢山お金が入ったから、美味しいものを買って帰ろう」

「わん」

 嬉しそうにぴょんぴょん跳ねるリトを見て、ジェシーは声をあげて笑った。すると体がふっと軽くなる。これは時々起こる感覚だった。この感覚があると、髪の一部分が黒から白に変わる。そしてその変化はリトにも現れる。リトの体の一部も黒から白に変化するのだ。私の体が軽くなると、どうしてリトにも変化が起こるのかはまだ謎だが、今のところリトの体に病的な影響はないため、放置している。

 買い物を終えるとジェシーとリトは森へと向かって歩いた。そして森の奥まで来ると、ぽつりと立っている家の中に入って行った。

「ただいまー」

 誰もいないが、ジェシーはそう言いながら家の中に入った。

「ふう。疲れたね。一休みをしよう。その前に……」

 そう言って、ジェシーが歌うように魔法の呪文を唱えると、その体は淡い光に包まれ成長した。いや、元の姿に戻った。そこにいたのは15歳になったジェシカだった。昔と違うのは、その髪色だけ。ジェシカの髪は黒よりも白い部分が増えていた。まだ黒い部分もあるが、白い髪の色の方が多い。そんな髪を一つに束ねると、お湯を沸かしてお茶を入れた。これは先ほど購入したものだ。

 そして……。

 買ってきたものをお皿に出す。



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