「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「見ろよ、あの騎士団長の姿」
「うわ!何あれどうしたの?」
「騎士団長は王城に報告に帰るたびに陛下に罵倒されて、もう王城に行きたくないって屍のようだよ」
「悲惨だな」
「騎士団辞めて森に住むとか言い出しているらしいぞ」
「ぶはぁっ!マジかよ」
噴き出して笑う騎士たちを横目に、騎士団長のジュウド・オーグランは空を仰いでいた。
「空って青いんだな……」
「何を当たり前なことを言っているんですか」
騎士団長にツッコミを入れるのは副団長のルノアだ。
「俺はどうしてここにいるんだ……」
「魔王捜索のためですね」
「何をすればいいんだ……」
「魔王の捜索ですね」
「何のために……」
「いい加減にして下さい!あんたは魔王を見つけて、その首をとるためにいるんでしょうが!」
ルノアの怒声を聞きながら、俺は王城に初めて足を踏み入れた日のことを思い出していた。