「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

 *

 王都に着くと人の多さに驚いた。目の前を行きかう人だけで、村に住む人間より多いいのではないかと思った。

「うっわー!王都ってすごいんだな」

「ジュウド、あれ食べるか?」

 俺を王都まで連れてきてくれた騎士のシドが指さした。それは香ばしく焼けた串焼きの肉だった。

「食べたい!」

 そう言うとシドがニッと笑って串焼きを持ってきてくれた。

「熱いから気をつけて食べな」

「はい。シドさんありがとうございます」

 王都で観光を楽しんだ次の日。

 俺は王城の大広間に通され、王の前で膝をついていた。

 何だよこれ。

 みんなが俺を見ている。

 視線が全身に突き刺さる。

 心臓がドキドキと忙しなく動き、血管を流れる血が沸騰してしまったかのように熱い。呼吸も荒くなって、息がしづらい。緊張でおかしくなりそうな俺の横で、シドさんが俺の背中をポンと叩いた。そして俺にしか聞こえないような声でささやいた。

「大丈夫だ。息を吸え。緊張しているのは俺も一緒だ」

 ふと見ると、シドさんの手も震えていた。それを見た俺は呼吸を整えるため、深く息を吸い込んだ。

 その時。



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