「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「なるほど……そうか。おぬしは剣が使えるか?」
「いえ。俺はずっと村で野菜を育てていので、剣を持ったことがありません」
それを聞いたゾイド王は右手を上げた。
「あれをここに」
そう言うと、騎士が大きな箱を運んできた。鍵のかけられた箱を騎士が開けると、そこには立派な剣が入っていた。
「ジュウドと言ったか?それを手にしてみよ」
陛下にそう言われ、ジュウドは恐る恐る目の前の剣を手にした。しかし重くて持ち上がらない。
「おっ……重っ!」
その様子を見ていた重鎮達は溜息をついた。こやつも勇者ではなかったのだと、そう思った時だった。剣が淡く発光しだし、次の瞬間には眼を開いていられないほど発光した。しかしそれは一瞬で、光はすぐに消えた。
それを見たゾイド王は、満足げに頷いた。
「聖剣が認めた。そなたが勇者だ」
ゾイド王の言葉に、一部始終を見守っていた人々から「おー」と驚きの声が漏れた。
「マジかよ……」
一番驚いていたのはジュウド自身だった。
本当に俺が勇者なのか?
……ていうか、勇者って何をやるんだ?