「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
戸惑う俺に、ゾイド王は「魔王を呼び寄せよ」とかとんでもないことを言い出した。
待ってくれ、俺は今初めて剣を持ったんだぞ。
それなのに魔王を倒せって?
無理に決まっているだろうが!
言葉には出さないが、俺は心の中で王にツッコミを入れた。
盛り上がる王や重鎮達とは反して、ジュウドは真っ青になっていた。
それから聞かされたのは魔王のことだった。
魔王は北の辺境伯領にいるらしい。
「えっ?何?魔王って馬車で来るの?」
「ああ、北辺境伯令嬢のジェシカ様だからな?」
何でもないようにシドが言った。
「ちょ……ちょっと待ってシドさん!俺、お嬢様を殺すの?」
「そうですね。ジェシカ様は今年10歳らしいですよ」
俺は体がぐらりと揺れるのを感じた。
俺……これから10歳の女の子を殺すの?
そのために剣の稽古をするの?
「名誉なことだぞ!」
そう言ったシドさんを睨みつけた。