「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

「おいおい、そんな顔をするなよ。これは世界の理(ことわり)なんだ。こうやって世界は平和になっているんだぞ。女の子の命一つで、世界が平和になるならその方がいいだろう」

 世界と少女の命なら世界をとる。それは当たり前のことなのかもしれない。

 でも……それでも……俺にできるのか?

 辺境伯家のジェシカ嬢とはどんな少女なのだろうか?

 魔王だというのだから、外見も恐ろしい少女なのだろうか?それならそれで、命は奪いやすいと思う。でも見た目だけ魔王なだけで、優しい少女だったら?

 逆に見た目は美しいが恐ろしく醜い心の持ち主だった場合も気兼ねせずに命を奪えるかも……。でも見た目も心も美しかったら?

 後者の場合、俺はどうしたらいいのだろう……。

 優しい心を持った少女に向かって俺は剣を振り降ろすことが出来るのか……。

 俺は可愛らしい10歳の少女を思い浮かべながら、その子を剣で切りつけている自分を想像してブルッと体が震えた。



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