「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
私がそう言いながら騎士団長様を見ると、困ったように眉を寄せた。
「騎士団長様が気持ち悪かったことなんてありませんよ。いつもカッコいいです」
私の言葉を聞いて騎士団長様は悶絶し、副団長のルノア様は頭を抱え、騎士のレン様は青ざめていた。
どういうこと?
私、変なこと言ったかしら?
首をかしげていると、ルノア様が頭を抱えながらこちらを見た。
「ところでジェシー嬢、貴女にはお姉さまがいらっしゃるとお聞きしたのですが?」
「はい。いますけど?」
「貴女に似ていらっしゃいますか?」
「えっ?」
ルノア様の質問の意味が分からない。
私に姉はいないが、私が姉と言っているのは、変身を解いた自分の姿だ。似ている似ていないではなく、自分自身なわけで……。
「あの……似ていたらどうなんですか?」
「いえ、気になっただけです。お会いできたらなと……ところでお姉さんは何歳ですか」
姉……本当の姿の私に会いたい?
年齢が知りたい?
騎士団は魔王を探している。
まさか……私の正体がばれた?
ドクンッと大きく心臓が音を立てた。背中に冷たい汗が流れ、どう答えたら良いのか分からない。手を強く握りしめ、俯いていると、騎士団長様が声を荒げた。
「ルノア、そこまでだ。尋問ではないんだ。変な質問をするな」
「いえ、しかし……ジェシー嬢の姉君ならきっと美人ですよ。ジェシー嬢でなくてもと……」
「俺はジェシーがいいんだ」
騎士団長様がそう言い切ると、ルノア様がまた頭を抱え、レン様が青ざめた。
だからどういうこと?