「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「団長はジェシー嬢のどこがそんなに良いのですか?」
「それ、俺も思ってたっす。確かに美少女っすけど」
俺はジェシーを思い浮かべながら空に浮かぶ星を眺めた。
「ジェシーは天使なんだ」
「「は?」」
ルノアとレンのハモる声が聞こえたがそれを無視して続けた。
「俺たちの出会いは奇跡だ。子供とは思えない所作に言葉遣い、人を思いやる心、慈悲深さ、聖女のような子なんだ。大人っぽいことを言うなと思っていると、こてんと首をかしげる姿はあどけなくて、愛らしい。ジェシーは天が遣わした天使に違いない」
「この人何言ってんだ。変態まっしぐらだな」
いつもの紳士的な喋り方を忘れたかのように、素のルノアがそう言った。
「俺は変態ではない。運命的に出会ってしまっただけだ」
「それでも相手は10歳なんだよ。ジェシー嬢の成人まで7年、手を出さないでいられるのか?それに7年経ったら団長は32歳、おっさんなんだよ。団長が良くてもジェシー嬢が可哀そうだろ。17歳の成人したてのお嬢さんが、32のおっさんと結婚させられるなんて!」
「…………」
素を露にしたルノアの言葉を聞きながら、俺は唇をかみしめた。どうして俺はジェシーと同じ年頃で生まれてこなかったのだろう。せめて後5年遅く生まれていれば……。
何も言えずに黙っていると、レンが酒の入ったコップを差し出してきた。