「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
そっと手を額にもっていき手のひらを見ると、赤いものがべっとりとついていた。この赤いものの正体が何なのかわからず呆然としていると、甲高い笑い声が聞こえてきた。
「あはは!何だ。ちゃんと血は出るのね。黒い血でも出るのかと思った」
オリエにそう言われ、これが血なのだと理解した。そして同時にこの額のズキズキとした感覚が、痛みなのだとも理解した。そしてこの痛みを生じさせた原因が、自分の妹の所業だということに落胆した。
「なぜこんなことを?」
「魔王は討伐しなければいけないんだよ。いらないのよ。お父様も、お母様も、いつも言っているもの。だから私がお姉さまをやっつけるの」
正義の騎士にでもなったつもりなのだろうか?頬を紅潮させながら、えっへんと胸を張りながら笑う妹。この子にこういう行動をさせたのは周りの人間の言動にあることは分かるが、この子は将来この辺境伯を守り、継いで行く人間だ。その人間がこのような行動をとることが良いとは思えない。
少しおいたの過ぎる妹を注意をするため、右手に魔力を貯めてから妹の前に炎の柱を立てた。突然目の前に現れた炎の柱にオリエは悲鳴を上げる。そして轟音と熱風に恐怖した妹が、尻もちをついて泣き出した。それと同時に、扉が大きな音を立てて開いた。