「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「ジェシカ、時間があったら……そうだな3日後の夕方、騎士団のテントに来ないか?料理を用意して待っている」
「え?良いのですか?」
「ジェシーも連れて来ていいぞ」
そう言われたが、私がジェシーなのだからジェシーを連れて行くことは出来ない。
ジェシーの話になり、私が固まっていると、ジュウド様が私の顔を覗き込んできた。
「どうした?」
「えっと……その……ジェシーは修行に出ているんです」
「修行?」
「はい。辺境のおじさまの所に、薬学の修行に行きました」
「まだあんなに小さいのにか?」
「はい。私もそうだったので……帰ってくるのは早くて3年後ぐらいになりますね」
私は嘘にうそを重ねていく。
心苦しいが、ここは嘘をつくしかない。
「そうだったのか……」
ジュウド様が眉根を寄せて、小さく息を吐いた。
「ごめんなさい」
私は後ろめたくて、思わず誤った。
そんな私に、ジュウド様は、フッと口角を上げた。
「なぜジェシカが誤るんだ?」
「…………」
私は何も答えられなかった。
そして現在。
私は騎士様といっしょに食事をしている。
騎士様たちは私をお客様としてあつかってくれて、あれやこれやと世話を焼いてくれる。
「ジェシカちゃん寒くない?」
「ジェシカちゃん、もっとおかわりあるよ」
「ジェシカちゃん、食後のデザートもあるよ」
「ジェシカちゃん、飲み物は足りてる?」
ジェシカちゃん、ジェシカちゃんと沢山の騎士様たちが声を掛けてくれる。私はそれが嬉しくて、笑顔で騎士様たちと会話を交わした。