シトラスの魔法が解けるまで
よかった、本当によかった。
図書室の隅で揺れる、あの水色の絵馬。
『仲直りする勇気が、私に出ますように。』
その願いは、今、不器用な彼の言葉によって、鮮やかに叶えられたんだ。
​『「嫌ってない」という言葉は、どんな甘いセリフよりも私の胸に響いた。
シトラスの香りが繋いだ、15センチの距離。
明日からはもう、廊下で逃げる必要なんてない。』
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