【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?
「よかった! さっき久々に見て思ったけど、どうしても気に食わないのよね。それに、こうしたほうが絶対に国のためになるんだから。いい? 当日はためらっちゃ駄目。絶対失敗しないでよ」
「わかっております」
騎士が請け負うのを見ながら、チェリーヌはニンマリと笑った。
(やっぱり――きっと私のことだわ)
ユレイヤの全身から血の気が引く。
誰かに盗み聞きをされてもいいように、チェリーヌは直接的な言葉は一切発していない。だが、二人が話しているのはユレイヤの殺害計画だ。護衛騎士や御者を買収し、馬車を暴走させ、事故に見せかけてユレイヤを殺す――前世で起きた事故はすべてチェリーヌが企てたことだったのだろう。そのせいで、ユレイヤは一度、命を落としたのだ。
(許せない)
手のひらに爪が食い込む。
けれど、今出ていったところでなんになろう? チェリーヌはユレイヤの名前すら発していないのだし、白を切られるのが落ちだ。もちろん、公務に同行しないことで事故を避けることはできるだろうが、別の計画を立てられては意味がない。
「大丈夫」
と、優しく肩を叩かれる。見れば隣にリヴェルトが立っていた。
「チェリーヌ」
「――あら、リヴェルト。ユレイヤ様も、こんなところでどうしたの?」
チェリーヌが微笑みながら返事をする。声をかけられたことに、まったく動揺していない。絶対にバレないと高を括っているのだ。
「お前の方こそ、こんなところでなにをしている?」
「見てわからない? 恋人との逢瀬を楽しんでいるの。無粋なことしないでよね」
チェリーヌはクスクス笑ったが、リヴェルトは厳しい表情で彼女を睨みつけた。
「ユレイヤの殺害計画について話すのが、そんなに楽しいのか?」
「……は? なによそれ、意味がわからないわ」
チェリーヌがピクリと眉を上げる。リヴェルトはチェリーヌに詰め寄った。
「わかっております」
騎士が請け負うのを見ながら、チェリーヌはニンマリと笑った。
(やっぱり――きっと私のことだわ)
ユレイヤの全身から血の気が引く。
誰かに盗み聞きをされてもいいように、チェリーヌは直接的な言葉は一切発していない。だが、二人が話しているのはユレイヤの殺害計画だ。護衛騎士や御者を買収し、馬車を暴走させ、事故に見せかけてユレイヤを殺す――前世で起きた事故はすべてチェリーヌが企てたことだったのだろう。そのせいで、ユレイヤは一度、命を落としたのだ。
(許せない)
手のひらに爪が食い込む。
けれど、今出ていったところでなんになろう? チェリーヌはユレイヤの名前すら発していないのだし、白を切られるのが落ちだ。もちろん、公務に同行しないことで事故を避けることはできるだろうが、別の計画を立てられては意味がない。
「大丈夫」
と、優しく肩を叩かれる。見れば隣にリヴェルトが立っていた。
「チェリーヌ」
「――あら、リヴェルト。ユレイヤ様も、こんなところでどうしたの?」
チェリーヌが微笑みながら返事をする。声をかけられたことに、まったく動揺していない。絶対にバレないと高を括っているのだ。
「お前の方こそ、こんなところでなにをしている?」
「見てわからない? 恋人との逢瀬を楽しんでいるの。無粋なことしないでよね」
チェリーヌはクスクス笑ったが、リヴェルトは厳しい表情で彼女を睨みつけた。
「ユレイヤの殺害計画について話すのが、そんなに楽しいのか?」
「……は? なによそれ、意味がわからないわ」
チェリーヌがピクリと眉を上げる。リヴェルトはチェリーヌに詰め寄った。