日向家の諸事情ですが。
そんななか、手にしていたカードの表面がキラッと光ったのか、モフモフ野郎は再び飛びついてくる。
そうはさせるかと身体を引かせたところで、わたしは気づく。
ここは湖ギリギリの展望デッキだったことに。
「おい馬鹿、」
「わあっ!?うわぁぁぁーーー…!!」
ザッバーーーン!!!
大量の水しぶき。
水面に触れるギリギリで放り投げたカードは、再び真っ白モフモフなワンコ様がパクっと。
「…出てこい楓(ふう)。ローレンを使って遊んでたのはおまえだろ」
「バレた?だぁーってうちの門を登ってまで侵入してきて面白かったんだもん」
「とりあえずこいつを引き上げるぞ。溺れかけてる」
「……うっそまじ?」
たーーすーーけーーーてーーー!!!
バタ足できてる!?
手も足も全身全霊で動かさないと沈んでいっちゃうよわたし…!!
ここ人食いサメとかいないよね…!?
大丈夫なんだよね……!?
「ごほっ!けほっ…!!し、死ぬかと思ったぁぁぁぁ……うう…、さみぃ…」
「アホだろおまえ」
「うえっ、ぶしゅっ!!!」
「…………」
やっばい……、
なんとか無事にデッキへと引き上げてくれた端正すぎる顔に、くしゃみぶちまけた……。