日向家の諸事情ですが。
「今日からお世話になります日暮 サナです!よろしくお願いいたします…!!」
「…なんでこっちが世話する前提なんだよ」
近くのコテージを借りて、濡れた服は持参していた仕事着でもあるメイド服に着替えた。
黒いワンピースに白いフリルのエプロン。
おまけにフリルが付いたカチューシャを添えて。
「わあ。ほんとにメイドさんだったんだ」
「えへ。まあ…えへへ、なんでも似合っちゃうのは分かりますけどもっ」
「あ、意味不明に照れてるとこごめん。結構バカにしたつもり」
「……えっ」
何はともあれ説明や自己紹介をなんとか終えて、ようやく玄関と思われるお城の扉の手前まで来た。
ちなみに日向家の長男である識さんは19歳。
三男である楓くんは16歳らしい。
「今回は何日持つかな〜」
「俺は1日に賭ける」
「えー、おれはもう少し期待したいや」
……ウワサには、聞いていた。
さすがに情報は少しくらい持っていないとメイドとしても失格だ。
この日向家の御曹司息子たちはワケありクセあり秘密ありの、三拍子。
そしてこれまで仕えたメイドは3日持たずクビ。
ネットニュースはそこまで信用しないようにしているが、情報としては入れておいたのだ。