日向家の諸事情ですが。




「あ、あのー……」



ここまで大きな屋敷ならば正門の前には誰か居てもおかしくないのに…。

まず人の気配すらない。
ただ所々に設置されている監視カメラは本物だ。


とりあえずインターホンだけ鳴らしてダッシュする…?


いやバカめ。

そんなことしたほうがアウトだよサナ。



「ワンワン!!」


「うっひゃあ!!ぎゃーー!いぬっ、犬ーー!」



すると門のなか、これまた毛並みツヤツヤで真っ白いモフモフな生き物が向かってきた。


もはや犬、ではない。
ワンコ様だ。

犬種はきっとサモエドだろう。



「グルルルルル…」


「えっ、怒ってる…!?威嚇してる!?いや不審者じゃないので…!今日からこのお屋敷のメイドとして来た者なんでっ!!ほらこれっ、み、身分証…!!」



もしやこの子がガードマンかもしれない……と。


咄嗟にガサゴソとバッグから取り出した身分証。

しっかり顔写真、名前、住所が記載されているカードをワンコ様に見せておこう。



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