初恋の相手と運命の再会を果たしたら、イケメン社長になっていて溺愛されています
「鈴木が全く俺のことを恋愛対象として見ていないことがよく分かったよ。お前、容赦ないな」

高橋くんは苦笑しながら、私にそう言った。
彼なりにもう吹っ切れたのであろう。私の最後の言葉が止めとなったみたいだ。

「情けで優しくされても嬉しくないでしょ?それなら最初から優しくしない方が逆にそれが優しさかなって思ったの」

振られた相手から中途半端に優しくされると、余計に気持ちが残ってしまう。
気持ちを残させるのではなく、これからは同期として普通に接したい。

「確かにそうかもな。これで俺の気持ちに踏ん切りをつけることができたと思う」

苦々しい顔から一転し、すっきりした顔をしていた。
高橋くんの表情からも本当に踏ん切りがついたのだと確信した。

「鈴木、もう俺は鈴木のことを恋愛対象として見ないから安心してほしい。だからこれからは同期の仲間としてよろしくな」

高橋くんは違ったかもしれないが、私にとって彼はずっと大事な同期の仲間だ。

「そんなの当たり前だよ。こちらこそ同期の仲間として、これからもよろしく」

お互いに握手を交わした。これで高橋くんとの諍いも終了となった。

「それと社長にもちゃんと伝えておいてくれよ。俺はもう鈴木のことを諦めたって。あの人、俺の気持ちに気づいてたと思うから」

今となってはあの時、柊真が高橋くんを警戒していたのは間違いではなかったと証明された。
もっと柊真の言葉に耳を傾けておけばよかった。まさか高橋くんが私のことを好きなんて、微塵も思えなかった。
だけど柊真は違う。同じ女性を思う者同士だからこそ、お互いの気持ちにすぐに気づけたのかもしれない。

「分かった。ちゃんと伝えておく」

これで柊真は安心してくれるであろう。私は良い報告ができることに胸を躍らせていた。

「そういやあの例の乗り込んできた女、鈴木が休んでいた間、会社に来なくなったぞ。社長が何か裏で手を回したんだな」

高橋くんが耳打ちして、小声で教えてくれた。まだ社内に居るので、周りの目を気にしてくれたのであろう。

「そうだったんだ…。全然知らなかった」

「そこはちゃんと教えないとダメだろう。恋人なんだから」

高橋くんが初めて私達の交際を認めてくれた。それだけで涙が溢れそうになるくらい、私は嬉しかった。

「動いてくれているのは知ってたよ。仕事もやりつつ、相手と戦ってくれてたから、とても忙しそうにしてたし」

彼女として、柊真の面子を守った。高橋くんに誤解してほしくなかった。話せる余裕もないことを知ってほしかった。

「そりゃそうだろう。俺みたいな一社員とは違って、あの若さで会社の責任という重い荷物を背負ってるんだぞ?仕事も多忙だろうし、同じ男として尊敬する」

私達のようなただの社員には想像できないくらい、重い責任を柊真は背負っている。
柊真が背負っている重積を考えると、とてつもないプレッシャーと常に戦っていることになる。
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