利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
「私にできること……じゃなくて、私がやりたいことかあ」

 医療事務の仕事は、久世総合病院の近辺でなければ仕事を見つけられると信じたい。患者やその家族を支えられる、やりがいのあ
る仕事だった。

 ただ、働く上でもどかしく感じることもある。

 当時の私は、患者やその家族との接し方に迷っていた。もっと力になれたらと思うのに、医師でもない私には『お大事に』と声をかけるくらいしかできない。

 中には気が立っている人や激しく落ち込む人もいる。そんな人たちに、違うアプローチができたんじゃないかといつも考えていた。

「これ、おもしろそうかも」

 ネットで調べているうちに、カウンセラーの資格の紹介記事が目に留まった。
 学校へ行かないと難しいのかと思いきや、民間の資格であれば通信教育で取得できるとある。

 働く場も医療現場だけでなく、福祉や教育の場でも活躍が見込めるようだ。

 実務経験がないから、そんなに簡単に仕事に就けるわけではないとわかっている。
 でも、すごく興味があるし取得を目指すこと自体が面白そうだ。

「決めた!」

 カウンセラーの資格に挑戦する。そう決断すると、早速動き始めた。




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