利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
 雅樹さんにふさわしい存在でありたい。

 彼を好きだと気づいて以来、手が空くとそればかり考えてしまう。

 そういえばと思って彼に尋ねたところ、自衛官は数年おきに転勤があるのだという。しかも勤務地となる基地は日本全国にあり、配属先を決めるのに私的な事情は関係ない。転勤の知らせが一週間前なんて急な場合もあり、なかなか大変そうだ。

「私も、一緒に行っていいのよね?」

 別居という選択肢もあるだろうが、今の私には考えられない。彼のために居心地がいい空間を作ってあげたいから、拒否されない限りはついていくつもりだ。

 そうなったら、今の仕事も辞めることになる。あらかじめ、事情を祖母に話しておく必要がありそうだ。

 雅樹さんは今、ほかの基地で訓練するため一週間ほど家を空けている。話し相手がいないせいで、考え事ばかりしてしまう。

 転勤になった際は、私も新たに仕事を見つけなければ時間を持て余してしまう。雅樹さんが危険な任務に就いたとき、なにもすることがなければ自宅でひとり悪い想像ばかりしていそうだ。

 私がそんな状態では、雅樹さんだって気がかりだろう。ともすると、祖母のもとに残るように言われるかもしれない。

 それは絶対に嫌だ。雅樹さんから拒否されない限り、一緒にいたい。




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