利害一致の同情婚 ~カタブツ航空自衛官は契約妻を溺愛する~
『父さん、すごいよ! かっこいいなあ』

 子どもの頃に連れていかれた航空祭では、目にしたものすべてが輝いて見えた。

 ほんの数十メートル先を、轟音とともに戦闘機が飛び立っていく。その迫力に胸が高鳴り、目が釘づけになる。
 ショーでは複数の機体がそろってアクロバティックな飛行を披露し、瞬きも忘れて食い入るように見つめた。

『雅樹は飛行機が気に入ったんだな』

『飛行機じゃなくて、戦闘機だよ』

 展示されていた複数の機体を、時間をかけて見学する。その脇に立つデジタル迷彩の制服を着た人は本物の自衛官なのだと、父が教えてくれた。

『彼らは、命がけで国を守ってくれているんだ。災害が発生したときも、危険な場所であっても助けに駆けつけてくれる』

 まるで正義のヒーローのようだ。

『僕も自衛官になって、困っている人を助けてあげたい。そして、あの戦闘機に乗って悪いやつをやっつけてみせる!』

『そうか。頼もしいなあ』

 父に頭をなでられて、得意げな気持ちになっていた。




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