欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
「昔の友達が嫌だったのね」
「そういう訳じゃないんだけど…まあ自由に県外を出れなかった時期もあっただろ?バイトや仕事に必死だったんだよ」
「ふーん…じゃあどうして戻ってきたの?」
「……何か俺の質問を誤魔化してないか?」
梨花子も枝豆を口にして少し間をとった。
「だって…そんな急に言われても返事出来ないもん」
梨花子は少し恥ずかしそうにジュースに口をつけた。
「まず男がいるか答えろよ」
「…いない」
「そっか」
幸成はニヤニヤしている。
「何よ、もしいたらどうだったの?」
「そうだなぁ、きっと俺の事を好きにさせてやる」
「なっ…チャ…」
梨花子はチャラいと言う言葉を飲み込んだ。
「笹本の中の俺って何でチャラいのさ、正直モテるけどチャラいとは思わないけどなぁ…」
「だって何人もの女子と付き合ってたのよ、すぐ別れたりしてたでしょ」
「そんなの笹本にわかんの?」
「…っ…噂よ、女子達がまた仙道くんが別れて別の女子と付き合ってるって友達がよく言ってたの!」
「へぇ、笹本は噂を信じるんだ」
「だって、仙道くんはいつも彼女連れてた!」
「告白されるからなぁ、合わないと思ったら別れるさ、嫌々付き合っても楽しくないじゃん」
「うっ、それはそうだけど…」
「笹本も俺が彼女連れてたなんて、俺の事よく見てたんだな(笑)」
「し、知らない!偶然だもん、め、目立つのよ」
「ふーん…ちょっとトイレ」
そう言うと幸成はタブレットでビールを注文して席を立った。
「はぁ…」
梨花子は1人になりため息をつく。
私、さっき告白されたって事?よね…
そして付き合ったとして、やっぱり合わないって振られるのかな…
「お待たせ致しました〜」
とビールが届きぼーっと考えていた梨花子はびっくりして「はいっ!」と返事をしてしまっていた。
軽く店員さんに頭を下げて、ビールを幸成の席の前に置く。
しばらくすると幸成が戻ってきて座るとビールを飲み始めた。
「腹減ってない?何でも注文しろよな」
「あっ、うん…何かジュースでお腹いっぱいになっちゃった」
梨花子はタブレットのメニューを見ていた。