欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
お揃い

「気に入ったのがあったのか?」

ひょいと覗くと梨花子は幸成の方を向くとすぐそばに顔があり、びっくりして

「あっ、あの…」

「ん?」

「ち、近い……」

「あー、悪い」

梨花子は顔を真っ赤にしてショーケースの方をまた見た。

「あ、あのね…このネックレスが可愛いなって見てたの」

梨花子が指差したのはすずらんのネックレスだった。

「可愛いけど……それがいいのか?3000円くらいだけど俺としたら中のお揃いのブレスレットかなぁって考えてたけど」

「あっ、お揃い!ごめんなさい…ついすずらんが目について…仙道くんはどれを見てたの?」

梨花子は幸成について奥に入っていく。

「これかなぁって…笹本は腕が細いからアクセサリーも細めが似合うかなって思ったんだけど」

「私…アクセサリーってほとんど持ってないの、センスがいい仙道くんが選んで」

「あまり興味ないのか?」

「興味っていうか似合わないと思ってて…」

「ジャラジャラつけるのは確かに笹本には合わないかもな、でもこれなら大丈夫だよ、似合う」

「本当に?」

「あぁ」

「じゃあお任せするね、あっ、私トイレに行ってきてもいいかな?」

「おう、これから包んでもらうからここに戻ってこいよ」

「わかった」

幸成は店員にショーケースから出してもらっているときに後ろを向くとさっき見ていたショーケースを梨花子はまた立ち止まり見ていた。

しばらく幸成は梨花子を見ていると、トイレを思い出したようで小走りで宝石店から出ていった。

「すみません…」

幸成は店員に声をかけ、支払いを済ませて店の前で梨花子を待つ。

梨花子は幸成が店の前にいるのを見つけると小走りで側に寄ってきた。

「ごめんなさい、混んでて」

「構わないよ、走らなくてもいい、行こう」

「うん」

服が見たいと幸成が言ったのでメンズの店舗を見て回ったが買うことはしなかった。

1度車に戻り、後部座席に2人は乗り込んだ。

「夜は冷えてきたな、寒くないか?」

「うん、大丈夫よ」
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