欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる

次の日には梨花子は通常の勤務をこなしていた。

ただ服の下には幸成から貰ったすずらんのネックレスをつけている。

ふとした時に服の上からつい触れているのが自分でも無意識で気づくと自然に笑みがこぼれてくる。

仕事中なのにしっかりしなきゃ…

昼休みにお弁当を食べていると三瀬くんが隣に座った。

「お疲れ~」

「あっ、三瀬くん、お疲れ様、お昼今から?」

「うん、あのさそろそろ同期の忘年会を決めなきゃなんだけど」

「もうそんな時期かー、あれ?私って今年幹事?」

「って聞いてやってきたんだけどさ(笑)」

「忘れてた!ごめんなさい」

梨花子は鞄からスケジュール帳を取り出した。

スマホのスケジュール帳も使うが梨花子は字を書くのが昔から好きな為、少し厚みのある日記がちょっとだけ書ける3年使えるスケジュール帳を使っているのだ。

「部署の忘年会も入ってくるよね?」

「そうだなぁ、仕事納めの日か12月入っての金曜日かなぁ」

「11月の終わりの方がいいかな?」

「確か去年も11月の最終週にしたような気がする」

梨花子は去年の11月を開いて見た。

「本当だ、よく憶えてるね」

スケジュール帳を見ていると梨花子のスマホがテーブルの上で震えた。

隣にいた三瀬くんは画面に仙道くんと見えてしまうと

「黙ってるから出てもいいよ」と言ってくれたが大丈夫と梨花子は拒否ボタンを押した。

「ゆっくり食べて(笑)私の私用電話に三瀬くんが気を遣う事はないわ、昼休みの時間も少ないのにちゃんと食べてね」

そう言うと三瀬くんと11月の最終の金曜日に同期の忘年会を実施することに決めた。

昼休みが終わる前にまた打ち合わせよろしくと三瀬くんは席を立った。

梨花子はスマホを持ち、かけ直すとすぐに幸成は電話に出た。

「あっ、悪い」

「ううん、ちょっと打ち合わせしてたの、今は大丈夫よ、どうしたの?」

「急だけどミーティングで今日の夜の便で東京に行ってくる」

「あー、もしかしたらって昨日言ってたよね」

「うん、帰ったら連絡するな」

「はーい、気を付けてね」

「おう」

スマホを鞄に入れて服の上からネックレスを触った。

気をつけてね…ふふっ
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