欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
「キスとかはしてくれてたのか?」
梨花子は首を横に振った。
「映画に行ったり、カフェに行ったり昼間は普通に……ある日、友達がたまたま飲み会の帰りに彼氏と私の友達とがHOTELに入るところを見たらしく、別れたの?って聞いてきたのね、それで私…彼を責めちゃって…彼は私との…その…練習にって友達に声をかけられてズルズルとセフレみたいな関係をしていたの…ショックだった、友達も信じられなくなっちゃって…」
幸成は震えながら話してくれた梨花子の背中をポンポンと叩いた。
「辛かったな……そういうのって男はさ、お前とシタ時に気持ちよくさせたいから教えてもらってたとか言うんだろうな〜」
「うん、そう言われた…でもお店とかならまだ…やっぱり嫌だけども…友達となんてひどすぎる……だから私は仙道くんの事を信じられるのかなって不安がどこかにまだあるんだと思う」
「笹本の中では俺はチャラいからな(笑)」
「それはごめん」
「いいよ、俺の事をこれから知ってくれるならさ、でも仕事する以上は女性とも関わる事は仕方ないと思っていて欲しい」
「うん、それは私も仕事の付き合いはあるし」
「祭りの時に話してた奴とか?」
「同期だから今度忘年会もあるし、今年は一緒に幹事だしね、でも私は何も…いい人だなとは思うけど」
幸成は手を梨花子の頭にポンとのせた。
「笹本ってモテてる自覚ある?」
「えっ!私なんて地味でモテたことなんてないよ」
梨花子は手をフリフリして謙遜した。
「笹本って美人だよ、可愛いって感じじゃないから多分学生の頃は声かけづらかったけど友達に笹本って美人て言う奴は結構いた」
「嘘だ」
「マジだよ、女子が可愛く見せたがる仕草を笹本はしないだけで高嶺の花的な存在だった、だから俺も告白できなかったんだよな、多分その元彼のせいで笹本は彼氏なんていらないとか思っちゃって、告白されてもまた浮気されたらとか考えて付き合わなかったんじゃないか?」
梨花子はこくんと頷いた。
「怖くて…」
「俺は怖い?」
「ううん、中学から知ってるからそれはないよ…でも…」
「でも?」
「私でいいのかなって思っちゃう、結婚だよ?」
「結婚だから笹本がいいんだよ、俺って女運ないなぁっていつも考えるんだ、もちろん俺も彼女側の浮気もあった」
「えっ、恋愛が嫌にならなかったの?」
「もちろん別れるけど俺と合わなかったんだなって思うようにしてるんだ」
「合わなかった…か…」
梨花子は考えていた。