欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる

「でも合わせれるならどちらかが合わせてうまくいくなら…」

「それはそうだよ、でも限界もある」

「よく喧嘩するカップルとか夫婦もいるじゃない?」

「それを上回る何かがあるから一緒にいるんじゃね?」

「そっか…前に私が車を断った時はどう思った?私、凄く酷いことしちゃったけど」

「うーん…その時は何でだよって思ったけどあくまで車は俺の趣味じゃん、ユキちゃんを運ぶ時に俺を頼ってくれたのはすげー嬉しかった、だってあの車に乗ることをわかった上で電話をくれたから」

「頭に浮かんだの…でも申し訳ない気持ちもあったよ」

「うん、だから最初の何だよは上書きされたんだよ、俺の押し付けじゃん、だったら家族の車で誘えばいいじゃんって」

「それは…私に合わせてくれるって事?」

「…惚れた弱みかな…」

幸成の顔が梨花子の目の前にきて軽くキスをされた。

「ちゅっ…あー、ヤバイんだよ」

「何が?」

「初恋が実るなんて結構すげえ事だと思わねぇ?めっちゃ浮かれてんの、俺」

幸成は少し照れて自分の手で数秒顔を隠した。

梨花子が見ると

「ちょっ、恥ずかしい…見んなって」

「やだ、私ばっかり恥ずかしいって思ってたの(笑)仙道くんも照れるんだ」

「恥ずいって、もう見るの終了な」

幸成は梨花子を抱きしめて自分の顔を見せないように胸に頭をつけさせ、後頭部を優しく撫でている。

「心臓の音速い(笑)」

「恥ずかしい事を言ったからまだ動揺してんだよ」

梨花子は自分から幸成の腰に腕を回した。

「暖かいね」

「まあな、でもそろそろ動くか?」

「うん!」

梨花子はずっと元彼の事で恋愛が怖かったが、幸成に話をして少しすっきりした。

今まで恵那ちゃんにしか話せなかったのに…私はもうきっと仙道くんを……

手を繋いでフェリー乗り場に着きウサギの島から離れた。

「また来たい」

「そうだなまた春に…季節が変わると景色も変わるからさ」

「そうだね、また……」

フェリーを降りて車に乗り込むとお腹空いたとお互い言い合い車を走らせて決める事にした。

「何が食べたい?」

「そうね…どこか車停めれる?」

「わかった、ちょっと待ってな」

10分程走ると車を脇へ寄せた。

マップで梨花子が探してみる。

「仙道くんは何か食べたいものはある?」

「えっ?俺に聞いてくれんの?」

「当たり前じゃないの?」

「俺……いつも相手の行きたい店とか聞いてたからさ」

「何でもいいって言ったらどうしてたの?」

「せめて料理のジャンルを決めてくれって答えてたかな」

幸成は少し思い出しているように上を向いた。
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