欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
幸成は言葉に詰まった。
「そう思ってたんだけどな…いい事ばかりじゃないから」
幸成にも過去に色々あるんだ…
梨花子は深く聞かないようにした。
「梨花子、帰りに〆でラーメン食べよ、地元にはない有名店」
「うん、楽しみ(笑)」
しばらくすると店のドアが開き幸成の隣に座った人がいた。
「初めまして、幸成の起業パートナーの白木と言います」
「初めまして、笹本梨花子です」
「明日、実家に帰るっていうから呼んだ、梨花子に会わせたかったから」
「幸成とはどうやって出会ったんですか?聞いても教えてくれなくて」
梨花子は幸成の顔を見た。
「話さない方がいいの?」
「恥ずかしいだけ、梨花子が上手く話してよ」
「うーん、上手くって言われても……簡単に言うと中学、高校の同級生です」
「なるほど、じゃあ貴方が幸成の初恋の人なんですね」
「だから言うなよ〜白木」
幸成は白木の肩を叩いた。
「良かったじゃないか、初恋が実って」
「そうだけど…」
「昔から幸成は初恋の人が忘れられないと女と別れる度に話していて、それなら会えって何度も俺は言ってたんです」
「…恥ずいし」
「何でだよ、いい事だよなぁ、マスター」
マスターも頷いて「運命だな」と言った。
「恥ずかしいなら私がいない時に話しておけばよかったんじゃないの?」
「昨日の忘年会は白木は来れなくて」
「昨日は別の忘年会が入っていて会えなかったんです」
「さっきホテルで電話してくるって言ったのが白木だったんだ」
「そうなんだ」
「白木は昨日は忘年会も2つかけもちだったんだよな」
「まあ、この業界、顔売ってなんぼだからな」
「あの…幸成が東京にいなくて会社は大丈夫なんですか?」
「店を構えてる訳じゃないから大丈夫です、他にもスタッフはいますし、幸成はこれから新しい事業も実家の家業の事もあるのは聞いてますから」
「新しい事業?」
「聞いてなかったですか?」
「はい」
「もう少ししたら話す」
「わかった」
「ふっ」
白木が笑った。
「何だよ」
「いや、聞き分けのいい奥さん候補だなって」
「候補じゃねーよ、決定だよ」
「だって普通知らない事があったら聞きたくなるだろ」
「ここでは大丈夫です、帰ってからゆっくり聞きます」
「真面目なんですね、幸成の事は本当に好きなんですか?」
「本当にとは…私がお金目当てでと思ってるんですか?」
「半々かな〜、幸成が今まで付き合ってきた女とタイプが違いすぎるから」
「おい、彼女を試すなよ」
「彼女の本気を試して何が悪い、幸成には幸せになってもらいたいんだ」