欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
「よし、じゃあ今日は食べ歩きだな」
「いいの?」
「もちろん」
幸成は革ジャンを着て、ショルダーバックを斜めがけにしてキャップを被った。
2人はホテルを出て電車に乗るが全く道がわからない梨花子は幸成に手を引っ張られて後ろをついていく。
切符を買ってもらい電車で3駅の場所で降り、少し歩くと1軒の家にたどり着いた。
かなり古そうな家だが幸成は鍵を開けて中に入る。
「どうぞ」
「お邪魔します?」
「ここが会社なんだ」
「一軒家が?ビルとかじゃなくて?」
「ここは知り合いの人から安く借りてるんだ、元々空き家になっていてどうしようかって話が出た時に貸してくださいとお願いした」
「本当に普通の家だね、古いけど」
「うん、キッチンもあるし2階は仮眠とか取れるようにベッドも置いてある」
「看板も出してないのね」
「なるべく無駄を無くすようにしてるんだ」
「幸成の会社かー」
「まあ白木と共同代表だけどな」
リビングらしき部屋は大きな作業台とパソコンが置いてあった。
たくさんのダンボールも山積みに置かれている。
部屋には幸成達の作った服がハンガーにかけられ長いポールが付けられていて商品が飾られていた。
「ちょっと待ってろ」と2階に上がるとすぐに降りてきた。
「これ、やる」
幸成とお揃いのキャップだった。
「いいの?買うよ?」
「これは俺のだからいい、行くぞ」
幸成は電気を消して玄関にある車のキーを取った。
「さて、バッテリーが(笑)」
「使ってないのね(笑)」
「白木にさっき確認したら多分年度末に発送で使ったはずと聞いたから大丈夫だろって」
「大丈夫でありますように」
車庫もあり、ミニバンのエンジンをかけてみた。
「おっ、イケる」
「乗ってもいいの?」
「おぅ、出発しようぜ」
「ナビいる?」
「いや、大丈夫」
少し走るとコンビニでコーヒーを買ってきてくれて車を走らせた。
少し渋滞もあり、到着したのは2時くらいだった。
「お腹空いたね」
「いっぱい食べようぜ」
手を繋ぎ中に入ると人も凄くたくさんいた。
「田舎のサービスエリアと全然違うね」
「まあな」
「私がだすよ」
「ありがとう」
梨花子の性格も理解してきたので幸成も素直にお礼を言うことにした。
何となく食事は梨花子が出そうとしているのが何となくわかる。
お互いのお金をどう使うのかも一緒に暮らすことになったら決めればいいと幸成は思っている。
買ったものはお互い半分ずつ食べあった。
「お腹いっぱい、少し休んだら甘いものも食べたい」
「甘いものは俺はいいから梨花子が食べな、俺は腹いっぱいになると眠くなる」
「わかった」
1度車に戻ることにした。