欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
「美味い」
梨花子はコーヒーを渡した。
「サンキュ」
幸成はコーヒーをひと口含んで話し始めた。
「俺は…卑怯な人間だと思う」
「え?」
「欲望の固まりだ、そして最後の欲望の梨花子を手に入れようとしている」
梨花子はじっと聞いていた。
「白木と起業する時に俺らはデザイン画を上手く書くことが出来なかったんだ、そこで白木がある女性を連れてきた、そこで書いてもいいけど俺と付き合いたいと言われた、俺はそう言う気持ちなら断ると言ったんだが白木の頼みで俺はその女と寝た…確かにデザインは俺達の思い描いていたものを書く女性だったし、商品化に繋がったのは彼女のおかげだ」
「…そう」
「でも付き合ってはなくて向こうの都合のいい時に呼び出される、彼女がいた時もあったがその関係も潰していくんだ、俺が乗り気じゃないのがわかると白木にもいった」
「白木さんにも、そっか」
「2人で話し合ったが彼女のデザインは良くて売れるんだ、でも大学を卒業した頃彼女は独立したんだ、俺らの会社の社員でいることを辞め、依頼という形にしたいと、もちろん支払いも多くなりこのままじゃやっていけなくなると白木と話したんだ、その頃には身体の関係は自然になくなっていて、独立の時に資金を出してくれた大人と付き合っていたらしい」
「大変だったね」
「それから新しいデザイナーを募集して何とか大丈夫になったんだ、そんな時、親父が倒れた話をしただろ?」
「うん、25歳の時ね」
「その時にデザイナー変わってこれからって時でさ……家に帰った時に8歳下の弟にこの寺を継がせるのか?弟も俺と同じようにやりたい事がたくさんあるんじゃないかと考えるようになったんだよ」
「でも弟さんの意思でしょ?」
「だけど、梨花子ならわかるだろ?近所の目、弟が継いで俺は東京で好きな事をしてる状況」
「…ごめんだけど、わかる」
「俺、そっから考えだしたんだよ、俺がいなくても会社が回るようにならないかなって」
「白木さんには話したの?」
「話したけど……白木とも距離を置かなきゃって感じ始めたんだ」
「それは私も昨日の態度でわかった、私に嫉妬してるって」
「…梨花子はよくわかるな、俺は去年まで気づかなくて……普通に梨花子の事も大学からの彼女とかの事も話しちまってた」
「ふふふっ」
「ん?」
「東京での女性関係は白木さんに聞けばわかるのね(笑)」
「まあ、そうなるな、でも梨花子の事も話してたから…白木は両方いけるんだよ、いわゆるバイってやつ」