欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
幸成と……
「そういう人の人権も守らなきゃね」
「俺も最初知った時はびっくりしたけど基本的にいい奴だからさ」
「うん、もう大丈夫、辛い事を話してくれてありがとう、そして再び出会ってくれてありがとう」
「梨花子…」
「もういいよ、楽しもう」
「梨花子…ごめんな」幸成は梨花子を抱きしめた。
車を走らせて幸成の会社に戻ってきた。
「仕事始めは1週間ほどは東京にいるから」
「わかった、忙しいね」
「移動だけだよ、コンビニで何か買って帰ろう、部屋でゆっくりしたい」
「運転ご苦労さま」
2人は部屋に戻ってきて、ラフな格好に着替えた。
ベッドに大の字になって天井を見ている幸成をじっと梨花子は見ていた。
ふいに幸成の頭が梨花子の方を向き目が合った。
「何みてんだよ(笑)」
「幸成を見てたのよ」
「うーん、何かさっき色々話してさ、俺の事嫌になった?」
「それはないよ、私は幸成はいつか話してくれるって思ってたしね、ただ、白木さんの態度で知りたくなっただけで、私がゆっくりって言ったのに逆に急かして申し訳なかったなって」
「梨花子は何も悪くない、10年の月日をひと言では語れない」
「私はのんびり過ごしてたけどね(笑)田舎が合ってる、でも幸成は…」
「俺は東京を拠点にしないよ」
「幸成…」
「それなら帰ってきてない、もし梨花子が結婚をしていたとしても東京からは戻ってきてた、向こうの荷物は整理して戻ってきたんだから、いつかは俺は僧侶になる、弟と助け合って地元で頑張るって決めたんだ」
「それでいいの?」
「その為に帰ってきた、新しい事業も年が明けたらとりかかる、ちゃんと梨花子にも話すから」
「わかった、幸成を信じる、でも無理はしないでね、幸成は色々考えすぎるから」
「真面目だからな(笑)」
「よく言うわ(笑)」
「こっち来て」
梨花子は緊張しながら側に寄って行く。
「手出して」
梨花子は幸成の大きな手で恋人繋ぎをした。
「幸成って舞香ちゃんといつ話したの?」
「舞香?何だよいきなりだな」
「恵那ちゃんが幸成が帰ってきてる事を知ったのって舞香ちゃんから聞いたんだって、幸成の初めてって舞香ちゃんなの?」
「いや、違う」
梨花子はホッとした。
「気になる?」
コクンと頷いた。
「それって俺とスル覚悟が出来たって事だよな?」
「う〜、意地悪」
軽くポカポカと幸成の胸を叩いた。
「俺の初めては梨花子は知らない人だよ、高校の時に3ヶ月くらい他校の先輩と付き合ってた事がある」
「ごめんね、そんなのどうでもいい事なのに…多分私が経験してたら聞かないし話さない事なのに…」