欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる

「夕食の準備をするわね、ご飯でも食べていって」

母親が立ち上がると梨花子も手伝うよとキッチンに立つ。

庭では怜士と幸成がサッカーボールでパスをしながら話していた。

「幸成さんさ、地元のサッカーチームに声かけられなかったんですか?あんなに上手かったのに」

「かけられるだろうと思っていた…それなら2部でも3部でもサッカーチームに入ろうと思ってたがオファーはなかったんだ、実はそれでふっきって上京することにしたんだ」

「意外…」

「県外からやっぱり取るんだって、その時は失望したな」

「へぇー、あのさ、何で今さら姉ちゃんなの?真面目を絵に書いた様な性格なのにさ、幸成さんなら東京で可愛いモデルとかと付き合えてたでしょ」

「梨花子も美人だよ、俺、梨花子が初恋なんだよな」

「嘘だぁ、だって幸成さんの彼女って目のクリっとした可愛い系じゃないですか」

「まあ多かったけどさ(笑)結婚となるとやっぱり梨花子と比べてしまう自分がいてさ…」

「恋愛と結婚は別って事ですか?」

「俺はそうだったかな、やっぱり家の事もあるし、どっかで寺の嫁として考えた時に今までの彼女は無理かなって」

「そういうもんか…」

怜士は黙ってしまった。

「怜士もそろそろ考えてんのか?」

「まあ、でもさ俺もゆくゆくは地元に戻ってきたいとは思っていて、でも仕事がないというか…姉ちゃんみたいに頭良くないし…彼女も県外の人だから戻りたいって言うと別れるって言われそうで…」

「仕事は戻ってくるなら俺が雇ってやるぞ、でもまだ準備中だし、成功するかはわからない、なるべく地元民を働かせたいとは思っている」

「話を聞きたい」

2人はパスをやめて縁側に座った。


「ご飯よ〜」と梨花子が呼びにくるまで2人は外で話していた。

外は真っ暗なのに……

家の中に入るとお寿司があり、お吸い物、刺身など海の町ならではの海鮮づくしだった。

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