欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
動物園デート
仕事始めになった梨花子はいつもの生活に戻った。
東京での幸成との時間は濃くて、また将来の事も話せてとても有意義な時間だったが…ん?あの幸成のバースデーの時に話した女性は誰だったんだろう…
すっかり忘れていたが知らない間にいなくなっていたし、仕事関係だと言っていたような…
私、また幸成の女関係を知ろうとしてる…でも、気になるし、聞くべきなのか黙っているべきなのか…
幸成は年初め、思いのほか仕事が忙しくて戻ってきたのは成人の日がある三連休が終わってからだった。
火曜日の朝に今日の夕方の便で戻るとLINEがきていたのを昼休みに梨花子は見た。
会えるのは週末かぁ…
「笹本さん」
声をかけてきたのは同期の三瀬くんだった。
「今、大丈夫?」
「うん」
「今度食事でもどうかなって…」
「同期会?」
「いや、2人で…だめかな」
「三瀬くんて彼女いたんじゃ」
「いや、もう何年も前に別れてるよ、この前忘年会の幹事を一緒にして、いい人だなぁって思ったんだ」
「あ、ありがとう…でも…ごめんなさい、私もうすぐ結婚するの」
「結婚?それはおめでとう、いつ?」
「まだ日は決まってなくて、両親に会っただけなんだけどね、バタバタと決まっちゃって」
「残念だなぁ、もう少し早く声をかけるんだった」
「三瀬くんも優しい人だからいい人と巡り会えるよ、仕事は辞めないからこれからもよろしくね」
「もちろん、同期だもんな」
そういうと三瀬くんは歩いて行ってしまった。
まさかの三瀬くん…
びっくりした、確かにいい人なんだけど、やっぱりこれも運命なのかしら。
もし幸成が帰ってきてなかったら私はもしかして三瀬くんとお付き合いをしていた?
いや、でもこの歳で経験がないなんて職場の人に知られる可能性もあっただろうし、断っていたかもしれない…
きっと幸成だから受け入れてくれたんだと思う。
梨花子は幸成に週末会えるのが楽しみとLINEを送った。
するとどこか行きたい所があったら考えててと返信がすぐにきた。
了解とスタンプを送ると肘をついて梨花子は残りの昼休みを考えていた。
金曜日の夜に梨花子から幸成にLINEを送る。
珍しい事だが梨花子も幸成だけに負担をかけたくない、自分もちゃんと幸成の事が好きなら自分からも動かなきゃ。
今までの梨花子は完全受け身で元彼にも自分の意思は上手く伝える事ができなかった。
それがきっと上手くいかなかった原因もあったのかもしれないと…幸成に再会して元彼の事を悪く言ってしまったが幸成には言えてひどい喧嘩にはならなかった事で梨花子も自分の気持ちを素直に言おうと思ったのだ。