欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる

幸成は動物園の駐車場に入り車を停めてエンジンを切った。

「ふっ、少し安心した」

幸成が軽く笑った。

「梨花子の言ってることって俺の事ばっかじゃん、俺は嬉しいよ、知ろうとしてくれているって事だしな」

「そういえば…」

「まだ付き合って時間は短いんだからそれは当然の事で、梨花子の真面目さが出てる、俺はもう梨花子と一緒になるって決めたから2人のこれからの未来を考える、梨花子の不安を話して欲しいし俺が暴走してると思ったら言ってくれて構わない」

「でも…」

「1つ言えることはそれを言っても梨花子の事は嫌いにならない、安心しろ」

「…本当に?」

「あぁ」

「実は会社で…」

梨花子は三瀬くんに食事に誘われた事を話した。

「梨花子の良さに気づくのが遅すぎだろ(笑)」

「巡り合わせって思ったの」

「あると思うよ、東京から戻ってきた時にすぐに梨花子に会いに行った行動を信じて欲しい」

「うん…そうね、ごめんなさい」

「さて、行くか」

「うん!」

コートを着て手を繋ぎ2人は冬の動物園へ向かった。

「見て!幸成」

思っていた以上に梨花子がはしゃいでいる…

こんな面もあるんだなと幸成は嬉しくなった。

動物が大好きな梨花子だから連れてきてよかった。

「幸成、お弁当作ってきたの、食べよ」

「うん、食べるか」

「簡単なものだけど…」

「充分だよ」

動物園のベンチに座りおにぎりを頬張った。

「幸成ありがとう、楽しい(笑)」

「梨花子は動物はまた飼いたい?」

「ユキちゃんが亡くなってからは飼う気がおきなくて…」

「もう少し時間が必要か」

「うん、またいずれは飼いたいとは思う…もし子供を授かって落ち着いたらでいいかな、幸成は動物好きなの?」

「うーん嫌いじゃないけど…世話が出来ないような気がするんだよな」

「意外!何でも出来そうなのに」

「梨花子みたいに決まった時間に決まった行動をするのが少し苦手なんだ」

「真面目な自由人(笑)」

「だよなぁ…ぴったりの表現だ(笑)仕事によって動いてきたからな」

仕事と言えば…

「あの幸成、東京のBARで私の隣に座っていた女性って覚えてる?」

「うーん、後ろ姿だったよな、誰だ」

「私も名前は聞いてなくて、知らない間に帰ってたんだけど、幸成の事が好きみたいでこれから攻めるみたいな感じだったの、仕事のパートナーになるとか話してたかな」

「仕事のパートナーは白木だが(笑)」

「だよね(笑)だからこっちでの仕事の関係かなって思ったの」

「こっちの仕事は地元企業を使う予定だから東京の人間は関係ないはずだが…地元を盛り上げたいのに…誰だろ」
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