欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
「ただいまー」
「こんにちは」
白木さんの声と可愛らしい女性の声…聞いた事のある声だと梨花子は思った。
BARで会った子だ!
「おかえりなさい」とみんなは声をかけていた。
「白木、お疲れさん」
「幸成の方が早かったか、楽しかったか?」
「楽しかった、お土産後で食べろよ」
「幸成、お土産ってどこかに行ってたの?」
「新婚旅行だ」
梨花子は彼女と目が合い頭を下げた。
「本当に結婚したんだ」
白木さんが2つのコーヒーを持って入ってきたので梨花子は立ち上がり
「どうぞ座ってください」
と女性に譲った。
「また気が利く系を表に出すんだから」
「そんなつもりは…」
「未莉(みり)は何を偉そうに言ってんだ」
幸成が声をかけると梨花子の座っていた席に未莉は座った。
白木さんが折りたたみ椅子を持ってきてくれて梨花子と白木は折りたたみ椅子に座った。
「気にしないで」と白木さんは小さな声で囁いてくれた。
「はい、ありがとうございます」
「幸成、写真見てもいい?」
「いいよ」
未莉はスマホを手で持ち勝手にスライドさせていく。
「何、これ、動画じゃん」
未莉は動画を押すと、「梨花子、可愛い…ちゅっ」と幸成の声が聞こえた。
「お前、何してんだよ」
「何かな〜と思って、これってエッチの写真?」
「アホか、そんなもん撮るか、飛行機で寝てる所だよ」
「ちゅ〜してるし」
「ほっぺだろ、いいだろこれくらい」
「幸成の好みがわかんないわ〜、何でお姉ちゃんと結婚しなかったの?お似合いだったのにね」
「うるさい」
「幸成、未莉、上に行こうか」
「はあ〜い」
「梨花子、ちょっと待ってて」
「…うん」
社員の人がソファへどうぞと言ってくれたが、梨花子はお仕事の邪魔になると思い、少し散歩してくるので幸成に聞かれたら連絡くださいと伝えてくださいと告げて玄関をそっと出た。
「お仕事だもんね…」
いちいち幸成の周りにいる女性を気にしたらキリがないわ。
私は幸成のお仕事の邪魔をしないこと、支えること…
もう私は仙道梨花子なのだから!
歩いていると商店街を見つけた。
楽しそう〜
お惣菜も売ってある、夜にホテルで食べようかな。
ウロウロ歩いていると幸成から電話がかかってきた。
「終わった、今どこ?」
「あのね、商店街を歩いていて、お惣菜を買うか迷ってる(笑)」
「夕食?」
「でもいいけど、どこか食べに行く?」
「食べに行くつもりだったけど久しぶりに俺も食べたくなったからそこで待ってろ」
「はーい」
しばらくすると幸成が走ってきてくれた。
「よく帰りにお惣菜買って帰って食べてたんだ、このメンチカツがおすすめ」
幸成も久しぶりのようだ。