欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる

でもこの日は同級生や、地域の幼なじみ達も帰省する人もたくさんいて、会えるのが梨花子も楽しみだ。

夜のかきくらべに行くと、中学校の同級生達にも会えるので、今年は誰に会えるのか行き当たりばったりではある。

地域の手伝いをしていて友達と時間の約束は毎年出来ないのだが誰かには会う。

今週末のお祭りをきっかけに前を向いていかなきゃと海を見ながら梨花子は背伸びをした。



次の日、梨花子は用で地域振興課に来ていた。

仕事をしていてふと考えて仕事の手が止まる。


そういえば…仙道くんは実家にいるはずなのに、何故住宅課や地域振興課に用だったんだろう。

転入届ならもっと近くの支所で出来るはずなのにな…

もし実家から出るなら普通の不動産屋で家を探せばいいはず。

梨花子は半年前の事を今頃になって思い出したのだ。

あれからどうしたのかな…

とりあえず仕事を終わらせて自分の社会福祉課に戻った。

梨花子は地元の大学の福祉を専攻して、社会福祉士の資格を取り、公務員試験に合格して市役所で勤務している。

高齢化している自分が住んでいる市の少しでも役に立てればと思い公務員となった。

友達からは真面目とよく言われるが自分では何が真面目なんだろうと不思議でたまらない。

悪い事はしてはいけないと思うだけで梨花子には全く身の覚えがないことだった。

ただ、派手なグループにはあまり馴染めず、大人しく学校生活を送ったのは間違いないから真面目なんだろう。

父親に迷惑をかけるのも悪いと思ったのもあるが元々の性格だから梨花子にとっては普通の事だった。

でも1人だけ同じ小学校から仲の良い友達がいる。

家が近所でいつも学校に一緒に通っていた真鍋恵那(まなべえな)ちゃん。

高校は別で少々派手になったが変わらずたまにご飯に行ったりしている。

お祭りにはきっと会う予定だ。

仕事は美容関係の仕事をしていて休みは中々合わないが、恵那ちゃんには彼氏がいるので、最近は連絡もあまり来なくなっていた。

夜に恵那ちゃんにお祭りの公民館での炊き出しは来る?とLINEを入れると、今年は彼氏の地区のお祭りを一緒に見に行くからごめんねと返事が返ってきた。

そっか……残念

また近いうちにご飯食べよ〜とLINEが来ていたので了解と返事をした。
< 8 / 81 >

この作品をシェア

pagetop