嫌われ爺さんへの怨み節
次女・美奈子の怨念
ある日、学は出先で急に激しい腹痛に襲われ呻いていたところを、親切な通りすがりの人が通報してくれ、救急車で搬送された。

典型的な昔の人間ゆえ、携帯電話などは持っていないが、持ち物にフルネームや自宅の電話番号が書いてあった為、病院から自宅に電話が入る。

「え?主人がですか?」

妻の志津子は驚くも、彼女は運転免許がないため、わざわざ病院へ行くのが面倒で仕方なかった。

「ねえ、美奈子!ちょっと来て!」

「何⋯⋯?」

次女の美奈子は、マイペースな27歳。

お調子者で極楽とんぼの美奈子は、半同棲していた彼氏に別れを告げ、一時的に実家に居候中である。

美奈子は、これまでに唯一結婚したいと思った相手と彼氏を比較してしまい、どうしても本気で愛せなかった。

そろそろ潮時だと思った頃、なし崩し的に結婚を迫られ、逃げ出してきたのだ。

「市民病院まで乗せていって頂戴」
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