嫌われ爺さんへの怨み節
きっと、この先も、このレベルの男が現れる筈がないということは、当時22歳の小娘でも直感でわかった。

この人となら結婚してもいいかも⋯⋯いやいや、是が非でも!と思った美奈子。

若い娘など、現金なものである。


結婚したら、また東京に戻れる⋯⋯!

今の仕事は退屈だし、この田舎自体、本当に退屈すぎて大っ嫌い!

こんな素敵な人と、都心か横浜のタワーマンションで暮らせたなら⋯⋯。

休みの日には高級イタリアンレストランに行って、真夜中にクルージングして、夜景の美しいホテルのスイートルームに泊まって⋯⋯。

何しろ相手はボンボンなのだから、共働きだの家事だのという庶民臭いこととも無縁と思われる。

平日は三食昼寝つき、夫の休日にはゴージャスなデート⋯⋯。

きっと、この王子様なら、

「君は存在してくれているだけで価値があるんだよ」

そんな風にお姫様扱いしてくれるだろう。

ベリーズカフェのヒロインのようだ。
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