幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~

 そして、気が付けばランベルトやナザイレも、それぞれの色の通りの剣を持っていたので、あれは彼らに天より与えられたそれぞれの聖剣なのかもしれない。

「……フェリクス」

 座り込んだまま、全身びしょ濡れになっているエリザベスは、おそるおそる彼の名前を呼んだ。

 フェリクスはそれに反応せずに、彼女を完全に無視して歩いて行ってしまった。そんな彼の態度にエリザベスは泣き崩れてしまったけれど、近くに居ると言えど私が慰めるわけにもいかない。

 近くから何人か神官がやって来て、彼女をどうにか宥めると、言い含めていた。そして、エリザベスが涙を拭って立ち上がると、彼女が手を翳し空が白く輝いた。

「これは……?」

 白い光の雨が降って怪我をした国民たちが、癒やされていくようだ。おそらくは癒やしの力を広範囲へと広げて、軽い怪我ならば治療してしまえる光なのだろう。

 ああ……これが、聖女エリザベスの起こす奇跡。小説の中では文字だけだったけれど、今目の前にある光景は、あまりにも美しすぎるわ。

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