幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~

26 生け贄

 そして、それぞれの光が放ち水球が弾けて、中に居る三人は、さっきフェリクスが記憶を取り戻した時のように呆然としていた。

「皆、大丈夫ー?」

「っ……お前、フェリクス。またやりやがったな!」

 フェリクスはなんでもない事のように言い、水中で死にかけたランベルトはいきり立って叫んでいた。

 怒るのも無理はない。息が出来なくなって、死んでしまうところだったのだから。

「……死の間際には、持てる力をすべて使うからな。力を使えさえすれば、付随して記憶が戻る。フェリクス。理屈は理解するが、俺たちは死ぬところだったぞ」

 濡れた髪をかき上げて、ナザイレは乱暴なやり方を抗議していた。私は彼の言いたいことを、良く理解出来る。

 だって、こんなの……信じられないわ。

 けれど、このままでは王都がとんでもない事になりそうだったし、時間効率を考えれば、フェリクスがしたことは最善だったのかもしれないけれど。

「おい。わかってるだろ。別に殺すつもりなんて、別にないって。周り見ればわかるだろう。急ぎなんだ。早く行こう」

 フェリクスが手を伸ばせば、何もない空間から剣が一振りの金色の剣が現れた。
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