幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 そして、こんな状態でも聖杯の聖水は入れ替えられて、勇者パーティたちは儀式の最後までをこなし、今回の旅はこれで終わりを告げた。

 憔悴したエリザベスに話掛けたのは、これまで彼女の世話をしてきたらしいナザイレだけだった。ランベルトは何もなかったかのように無言のままで帰って行ったし、フェリクスは存在自体を完全に無視していた。

 おそらくは、それが一番にエリザベスに堪えることだとわかっているからかもしれない。

 私はフェリクスは自分勝手にしているように見えて、計算している部分もあると感じているから、身勝手な理由で王都を混乱に貶めたエリザベスのことについて、相当怒っているのだろう。

 国王陛下はフェリクスへと謝罪をして、考えていた褒美もより良い物を用意すると言っていたけれど、フェリクスはどうでも良さそうだった。

 私たちは城にある部屋へと荷物を取りに戻り、フェリクスの希望で城を出て王都の宿へと泊まることになった。

 暗い窓の外を見れば完全に混乱は収まっていて、昼間に起きた悲劇なんてなかったかのように静かな夜になっていた。

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