幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 けれど、フェリクスたち勇者が世界を救ってくれなければ、世界中があのようになっていたのだろう。

「……アリーチェ。ようやく、これでリース村に帰れるよ!」

 湯浴みを済ませたフェリクスは嬉しそうにそう言ったので、私は呆れてしまった。彼はもう本当に、そのことだけを望んでいるのだろうと思ったからだ。

「フェリクス。もう……本当に……私だけのことしか、考えていないのね」

 私は窓から離れて、ベッドの上へと腰掛けた。

 それは、『勇者の幼馴染み』としての役目を全うし、ほんの出来心ではじめた彼が望む行為を中断してしまったことによる、異常なまでの執着だとしても……私は嬉しかった。

 妹ジーノの幸せも願っていたし、フェリクスだっていずれは自分の前から去ってしまう存在として、心の準備をして忘れてしまうはずだった。

 けれど、実際はフェリクスのような男性を忘れられるはずもなかった。

「それは、そうだよ。アリーチェ……君は俺にとって、理想の異性で初恋で、手に入ったことが、奇跡なんだ……アリーチェ。初めて見た時から、ずっと好きだった」

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