幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 幼い頃からの刷り込みで幼馴染みの私への好意など、一過性の熱病のようなものだ。旅立って広い世界を知った彼は、リース村であったことなんて、すぐに忘れてしまうだろう。

 勇者の幼馴染みジーノ……私の妹を彼が、すぐに忘れてしまったように。

 急ぎ村へ戻った私たち二人を待っていたのは、やはり、勇者フェリクスを迎えに来た使者たる神官たちだった。

 彼らは『ちょっと、待て!』と暴れるフェリクスを拘束魔法で捕縛し、これまでに見た事もないような三頭立ての豪華な馬車へと乗せて、宣託を受けた勇者を連れ、慣例通りにリース村を出て行った。

 魔王が蘇ったいま、勇者たちが敵を倒すための冒険は、一刻の猶予も許されていないからだ。

 今日の出来事も何もかもが小説通りの展開ではあるのだけど、彼の父親である鍛冶屋のマクネアリーさんにも、彼の幼馴染になり代わった私にも別れの挨拶をすることも叶わぬまま……勇者として宣託されたフェリクスは世界を救いに行ってしまった。


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