幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 世界を救った勇者なフェリクスは、いずれ世継ぎのお姫様兼聖女と結婚するはずだ。

 すぐそこに見える将来には、ジェイネス王国を統べる王様にもなってしまうだろう。

 そんな素晴らしい男性から成人になるまでのほんのひと時とは言え、好意を向けられていたのだ。誇らしいことには変わらない。たとえ、彼の心が今では離れてしまっていたとしても。

 思い返せば、それはひな鳥の刷り込みのようなもので、異性に対する甘酸っぱい思いではなかったのかもしれないけれど……。

 今もフェリクスのことを思い出すだけで泣けてしまう幼馴染の身代わりは、きっと……一生、彼のことを忘れられないんだと思う。

 小説の中では描かれなかったジーノのその後の身代わりに、二度と会えないフェリクスを好きなまま想ったままで、朽ち果ててしまうのかもしれない。


◇◆◇


 そして、ついにやって来たその日。

 早朝から森の中に住む鳥たちの鳴き声が、なんだか騒がしかった。

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