幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
「あ。ごめん……うーん。アリーチェ。俺は一旦、王都にある城に戻らなければならない。魔王を倒してすぐにリース村に来たんだけど、勇者としての役目を果たせと怒られた」

 誰に怒られたか……は、言わなかった。

 それに、勇者には魔王を倒してから存在を封印するまで、神殿で儀式が執り行われる。国民たちに世界平和が守られたことを知らせる祝賀パレードにだって参加するのだ。

 それを、フェリクスはすべて無視して、故郷のリース村へと帰還したらしい。さっきの鳥たちはそんな彼を呼び戻そうと、不思議な能力を持つ誰かが放った使者だったのだろう。

「そうなのね。フェリクス。気を付けて、行って来てね」

 再会したばかりで離れてしまうのは寂しいけれど、魔王を完全に封印する儀式は、勇者として大事な役目でもある。

 これをおろそかにしてしまえば、神の怒りを買い次の勇者の宣託がないという、まことしやかな伝説まで残っているのだ。

「何を言っているの。アリーチェも俺と一緒に来るんだよ?」

 フェリクスは片手で手紙を荒っぽく握りつぶし、さも面白くなさそうに言い放った。

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