幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
「は? うざ。てか、私のお姉ちゃんなんだから、ここに来るのにいきなりも何もないでしょう?」

「……アリーチェ。なんとか言ってよ」

 こちらは一歩も引かぬと言わんばかりに、背の高いフェリクスに詰め寄り、見上げるように彼を睨め付けたジーノ。

 この子は恋心なんてかけらも匂わせることもなく、どれだけ容姿が良かろうが。その他たくさん居る幼馴染みと同じようにフェリクスを扱う。

 お互いに歯に衣を着せぬというか、気の置けない関係というか、何を気に入らないのか、とにかく喧嘩ばかりしている。

 かよわい女性に自分が手を出すわけにもいかないからか、フェリクスは両手を挙げて私を見つめた。

 私がジーノから『勇者の幼馴染み』という役割を引き受けてから、彼ら二人は自然とそういう関係に落ち着いた。恋に落ちているはずだったのに、なんだか、不思議な気がする。

「ジーノ。フェリクスが王都へ行くから、私も行くって言ったのよ。それに、森の番人小屋に住んでいるのも飽きてしまったわ……」

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