幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 二年前までは私が制止すれば大人しく引き下がっていたのに、帰って来たフェリクスは押しが強い。私もそれ以上の抵抗が出来ずに、流されるように従ってしまう。

「アリーチェ。腕を上げてくれる?」

 私は胸を押さえていた右腕を上げて、彼の指示に従った。

「あんっ……何するの?」

 脇を濡れた布で拭いたと思えば、熱い舌が通り抜けたので、思わず変な声をあげてしまった。

「両腕を上げてよ。アリーチェ。このままだと、身体を拭けないよ」

 もちろん。そんなわけはない。抵抗しようと思えば、抵抗出来るだろう。けれど、私には抵抗する理由が見当たらなかった。

 無言のままで両腕を上げると、フェリクスは胸の下を拭いて、首に吸い付くようにキスをした。

「っ……フェリクス?」

「アリーチェ。俺はね。すっごく我慢していたんだ。二年前から……いや、その十何年も前から。一回やっただけでなんて、とても冷静になれそうもない」

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