幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~

12 王都

 王都で聞こえて来るざわざわとした喧噪は、田舎の村で生まれ育った私にとって、とても刺激的なものだった。

「わあっ……すごいわ……」

 もうとにかく、人……人人人で、私の生まれ育ったリース村に住む村人を集めた数の、何倍も……下手すると、何十倍の人数がこの通り一本に居るようだ。

 とんでもない人の数もそうだけれど、道行く人たちの格好が、やけに色鮮やかでお洒落なのも気になった。田舎の村で暮らしていると、お洒落なんて興味のない人が多いし、皆似たような簡素な服を着ている。

 競い合うように着飾っていて、とにかく、エネルギッシュで楽しそうな若い人たちが多い。こうして見ると、田舎から出て来て一旗揚げてやるという人も多いのだろう。

 ああ……なんだか、前世を思い出す。もっとも、前世の東京はこんなにも色とりどりの髪や目を持っていることはなく、ほとんど暗色で居ても金色だった。

 ……隣に立つフェリクスのような、金属の糸で出来ているかのような生まれついての金髪を持つ人を見ることはあまりなかった。

「アリーチェはリース村から出たことないもんな。俺も二年前に王都の神殿へ馬車で連れて来られた時は、最悪だと思った記憶しかないけど、初めて見た王都自体はデカすぎて感動した」

「ふふ。今では世界を救った勇者様だものね……?」

 三日も経つと初日に比べて大分慣れて来た私は、今日は移動を終えても自分の足で立つことが出来るようになっていた。

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