幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
「……え! どうしてだよ。じゃあ、俺も行かない」

「もう。そういうわけには、いかないでしょう……? フェリクス」

 流石に主役の一人であるフェリクスが、今日の晩餐へ出席しない訳にもいかない。だって、国王陛下も出て来るというのに。

「もしかしてさ、エリザベスが嫌なんじゃない? もし……あいつが、変なこと言われたら、すぐ言ってよ。殺すからさ」

「もう……フェリクス。なんて事を言うの」

 仮にも聖女でお姫様の彼女を、殺すと言うなんて。カルロのこともそう言っていたわ。

 単なる言葉の綾かもしれないけれど、これまでのフェリクスを見ていればやりかねないし、何も言えない。

 背筋にすうっと、冷たいものが通り抜けた……だって、人が一人、私の不用意な一言で死んでしまうかもしれないのよ。

「あいつ、俺には触らないでくれって言っても、聞かないんだ。流石にこの儀式終わって、会わなくなれば縁は自然と切れると思うけど……アリーチェが嫌なら、もうエリザベスとは会わない」

 フェリクスはこれまで彼女との間にあった出来事を思い出したのか、顔を顰めて嫌そうな顔をしていた。

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