塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
更にありえないことを言われて、思わず強く否定してしまう。だが孤児院でセヴランに顎を掴まれて顔を寄せられたことを思い出し、きっとその時のことだろうと説明すると、レナルドはホッとした顔になった。
「私はあの人のことがずっと苦手でした。でもずっとつきまとわれていて……。伯爵家と男爵家の身分差を持ち出されれば、逆らうこともできなかったんです」
「あらためて、本当に最低な男だな、あいつは……」
機嫌を損ねれば嫌がらせとして領民に迷惑をかけられたこともあるのだと話すと、レナルドは忌々しげに吐き捨てた。
「今日、ラシェルの気持ちがあいつにないことを知れて安心したけど、俺はずっと勘違いしていたんだ。恐らくあいつが意図的に流していたんだろうが、きみたちが婚約目前であるという噂もあったし、そんな二人に割って入ることなんてできないと思っていた」
「そんな噂があったなんて……」
「それでも諦めきれずにいた時、ブラン男爵家が借金を抱えているという話を耳にした。実際にはあの男がブラン男爵家を陥れるためのものだったが、それを聞いたおれは、きみを手に入れるチャンスだと思ってしまったんだ」
少し言葉を切り、レナルドはため息を落とす。
「愛されないことが分かっていても、それでもきみのそばにいたかったから。きみを金で買ったような俺を好きになってもらえるとは思わなかったけど、あいつのものになるのを黙って見ているくらいなら、俺が奪ってしまいたいと……そう思った」
「でも、私たち家族はそのおかげで助かりました。たくさん援助もしていただいて、父も兄もどれほど感謝していることか」
「私はあの人のことがずっと苦手でした。でもずっとつきまとわれていて……。伯爵家と男爵家の身分差を持ち出されれば、逆らうこともできなかったんです」
「あらためて、本当に最低な男だな、あいつは……」
機嫌を損ねれば嫌がらせとして領民に迷惑をかけられたこともあるのだと話すと、レナルドは忌々しげに吐き捨てた。
「今日、ラシェルの気持ちがあいつにないことを知れて安心したけど、俺はずっと勘違いしていたんだ。恐らくあいつが意図的に流していたんだろうが、きみたちが婚約目前であるという噂もあったし、そんな二人に割って入ることなんてできないと思っていた」
「そんな噂があったなんて……」
「それでも諦めきれずにいた時、ブラン男爵家が借金を抱えているという話を耳にした。実際にはあの男がブラン男爵家を陥れるためのものだったが、それを聞いたおれは、きみを手に入れるチャンスだと思ってしまったんだ」
少し言葉を切り、レナルドはため息を落とす。
「愛されないことが分かっていても、それでもきみのそばにいたかったから。きみを金で買ったような俺を好きになってもらえるとは思わなかったけど、あいつのものになるのを黙って見ているくらいなら、俺が奪ってしまいたいと……そう思った」
「でも、私たち家族はそのおかげで助かりました。たくさん援助もしていただいて、父も兄もどれほど感謝していることか」