塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
深く息を吐いて何度か瞬きを繰り返すと、彼はラシェルに微笑みかけた。
「いや……一瞬何かを思い出せそうな気がしたが、分からなくなってしまった。すまない、まだ記憶は……戻っていないようだ」
「そうですか……。傷が痛むこともないですか? 体調は?」
「大丈夫だ。問題ない」
力強い口調でそう言うと、レナルドは気を取り直したようにラシェルを見た。
「きみは大丈夫?」
「ええ、レナルド様が受け止めてくださいましたから」
「そうか……」
まるで顔色を確かめるように伸ばされた手に、ラシェルは思わず頬を寄せてしまった。その途端、レナルドが驚いたように目を見開く。
「あ、すみません、つい……」
「いや、いいんだ」
そう言って、レナルドは指先でラシェルの頰をそっと撫でた。
「運動は、もう終わったんですか?」
「あぁ、うん。少し早いが、お茶をしようと誘いに来たところだったんだ」
「そうなんですね。では、行きましょうか」
ここ数日の癖でレナルドの腕にそっと手を添えると、彼はまた驚いたように小さく肩を跳ねさせた。だがすぐに、腕が腰へと回される。
彼の反応に微かな違和感を抱きながらも、ラシェルはレナルドにエスコートされて書庫を出た。
レナルドの部屋に着くと、すでにお茶の準備が整えられていた。待機していた侍女がお茶を淹れ終わると、レナルドは「下がっていい」と短く命じる。頭を下げて侍女が去っていけば、部屋には二人きりとなった。
「いや……一瞬何かを思い出せそうな気がしたが、分からなくなってしまった。すまない、まだ記憶は……戻っていないようだ」
「そうですか……。傷が痛むこともないですか? 体調は?」
「大丈夫だ。問題ない」
力強い口調でそう言うと、レナルドは気を取り直したようにラシェルを見た。
「きみは大丈夫?」
「ええ、レナルド様が受け止めてくださいましたから」
「そうか……」
まるで顔色を確かめるように伸ばされた手に、ラシェルは思わず頬を寄せてしまった。その途端、レナルドが驚いたように目を見開く。
「あ、すみません、つい……」
「いや、いいんだ」
そう言って、レナルドは指先でラシェルの頰をそっと撫でた。
「運動は、もう終わったんですか?」
「あぁ、うん。少し早いが、お茶をしようと誘いに来たところだったんだ」
「そうなんですね。では、行きましょうか」
ここ数日の癖でレナルドの腕にそっと手を添えると、彼はまた驚いたように小さく肩を跳ねさせた。だがすぐに、腕が腰へと回される。
彼の反応に微かな違和感を抱きながらも、ラシェルはレナルドにエスコートされて書庫を出た。
レナルドの部屋に着くと、すでにお茶の準備が整えられていた。待機していた侍女がお茶を淹れ終わると、レナルドは「下がっていい」と短く命じる。頭を下げて侍女が去っていけば、部屋には二人きりとなった。