Catastroph
少年は窓の方に手を伸ばす。細枝のような腕には、アザや傷が大量にあった。否、腕だけではない。身体中に傷が目立っている。全て村人によってつけられた傷だ。

「僕はどうしてここにいなくちゃいけないんだろう……」

少年はポツリと呟く。しかし、その問いに答えてくれる人はいない。ここには今、少年しかいないためだ。

十畳ほどのこの空間には、汚い水の入った器以外何もない。少年は物心ついた頃からこの場所にいる。

ガチャ。

鍵の開く音に少年の体が強張る。またあの地獄が始まるのだと、目に涙が浮かんだ。

「よぉ、忌み子」

「産まれてきた罰を受ける時間だぜ」

村の男たちが下卑た笑みを浮かべ、近付いて来る。少年は震える声を発しながら後ずさった。しかし、この小さな小屋の中から逃れられるわけがない。

「産まれたことを反省しろ!!」

男の一人の拳が少年の頬を殴り付ける。頰は数秒もしないうちに赤く腫れ上がり、鼻からも血が流れた。

「うっ……がっ……」
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